「無農薬農業」「化学肥料は一切使いません」と言えば、農業をわかっている人からすれば「そんなのうまくいかないよ」とか「少しは農薬や肥料を使うんでしょ?」などと普通では無理難題だという意見が飛び出します。しかしこの農場で「最近は病気のことも忘れて楽しく野菜を育てているんです」とにこやかに教えてくれるのは高機能しいたけの「しい太郎」「松太郎」の廃菌床を活用した「無農薬」「化学肥料無し」の農業を実践する「いきいきファーム INS」のみなさん。
 本来は椎茸栽培の後に産業廃棄物となってしまう「廃菌床」に今注目のβグルカンやビタミンDが非常に沢山含まれていることから有効活用出来ないものかと研究を重ね、廃菌床を熟成・発酵させたり乳酸菌を活用したりするなどし、畑へはどの頻度・分量で使えば良いかを試行錯誤しながら長年の取り組みを行いました。ちなみに、βグルカンやビタミンDはインフルエンザウイルスや一部のがんに対抗する免疫機能向上、アレルギー抑制、糖尿病対策などに効果があるという研究結果があるとされている成分で、特に椎茸の芽の部分には非常に沢山含まれている為、廃菌床はこの成分の宝庫でした。また椎茸菌が雑菌と戦うことで野菜が病気をしにくくなったり、熟成の結果アミノ酸が増加して野菜に必要な栄養も多く含まれていました。
 困難とされていた方法ですが、地道に土づくりから始め、雑草取りなど農業に向き合って来た結果、今では地元に愛される農場にまで育ちました。この農場で育った野菜を食べるとやはりわかるのでしょうか、みなさんまた食べたいと地元の農家さんの間でたちまち人気となり予約でいっぱいになるまでとなりました。
 この農場は冬の時期でも他の畑と比べても緑がいきいきとしています。本当に健康なものを作りたいという想いから苗を買ってきて育てるのではなく「種」からの栽培を行っています。今では数十種類の野菜を常時数種類収穫できるようになっており、収穫した野菜は「健やか野菜」として出荷したり「農家れすとらん」で提供するようになりました。
 ゼロ・エミッション農業の一環として本来は産業廃棄物となってしまう廃菌床を有効活用し、高付加価値のある無農薬健康野菜を育て、食すことで健康となり、笑顔をつくる環となったビジネスモデルが実現しました。この環の中にあるこの農場で働くことで、「健康な野菜を食べて体の調子も良くなり、楽しく育てている。そんな仲間の集まる農場となりました。」と農場代表の伊藤さんは幸せそうに語ります。

心とからだも元気な仲間が出来ました
健康野菜づくりは笑顔づくりでした